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- 巷にある「クレジットカード現金化は自己破産できない」という解説は説明不足
- 債務整理には自己破産のほかにも「個人再生」「特定調停」「任意整理」があり、それらの場合は借金など債務の理由を問われずに、返済を減額できる可能性がある
- 自己破産の場合も、「裁量免責」によって、クレジットカード現金化の借金も返済免除(免責)が認められる場合がある
- クレジットカード現金化は違法ではないが危険性が高く、正当とは言い難い側面もあるため、絶対に利用してはいけない
「クレジットカード現金化をすると、自己破産ができなくなる」
「自己破産の免責不許可事由にあたるから、クレジットカード現金化の債務は、破産が認められない」
こんな話を、ネットで見かけた方も多いのではないでしょうか。
ですがこの話には、「デマ」というと少し過激ですが、明らかな説明不足があります。
そこで今回は、“裁判所の公式資料”をもとに、より詳しい解説を進めていきます。
「私はクレジットカード現金化を使ってしまったから、もう破産もできない」
と絶望感を持っている方も、まだ返済トラブルや未払い・滞納を解決できる可能性があります。希望をもってお読みください。
他のWEBサイト等では、「クレジットカードの自己破産、及び債務整理」について“間違った解説”が広まっています。
そのため当サイトでは、信頼できる情報源をもとに解説を行っています。今回は、特に信頼性と公平性が保たれている、裁判所の情報をもとにご説明しています。
債務整理の方法は自己破産だけではない
「クレジットカード現金化は自己破産できない」と言われると、「クレカ現金化で支払いができなくなったり、それが理由で借金が返せなくなったら、破産もできず自殺しかない」と思い詰めてしまう方もいるのではないでしょうか。
ですが、そもそも“返済滞納などを減額する債務整理手続き”は、自己破産だけではありません。
負債の整理方法は,「破産」だけが唯一の方法ではありません。弁護士による「任意整理」,裁判所による「特定調停」及び「個人再生」などの方法もあり,それぞれに特徴があり,法律上,社会生活上の影響(制限)もあります。ご自分にとって,どのような方法が適当なのかを含め,よく考えていただく必要があります。
このように名古屋地方裁判所でも説明されている通り、「自己破産だけが滞納解決の方法ではない」ということです。実際の債務整理には、自己破産のほかに、「任意整理」「個人再生」「特定調停」といった手続きがあります。
そして、「任意整理」「個人再生」「特定調停」では、借金など債務の理由を特に問われません。ですので、クレジットカード現金化によるカードの返済不能や借金であっても、こうした債務整理手続きで、返済を減額したり、分割払いにできる可能性があります。
「任意整理」「個人再生」「特定調停」「自己破産」について、簡単な特徴もまとめておきます。
任意整理とは
今後の利息(将来利息)や遅延損害金をカットしたり、返済計画を長期の分割払いに建て直したりして、返済を楽にする手続きです。
個人再生とは
返済の元金をおおよそ5分の1~最大で10分の1程度に減額し、残りを3年~5年の長期分割とする、返済減額の手続きです。
特定調停とは
裁判所の調停員を介して、債務者と債権者の話し合いにより解決を目指す手続きです。返済の減額などの恩恵が得られるかどうかは、場合により異なります。
自己破産とは
原則として、すべての返済が免除されます。
債務整理について、詳しくは弁護士や司法書士に相談しましょう
債務整理については、弁護士や司法書士に、まず相談することが大切です。
先ほどの名古屋地裁においても、弁護士・司法書士などへの相談が推奨されています。
破産,調停,個人再生手続(「小規模個人再生手続」,「給与所得者等再生手続」のどちらを選択するか),弁護士による任意整理,のどの手続を選択するかも含めて弁護士会の相談窓口や司法書士などに相談したり,書類作成のアドバイスを求めることをお勧めします。
ご説明した通り、債務整理の方法は一つではなく、「任意整理」「個人再生」「自己破産」「特定調停」など、さまざまな方法があります。
そのどれを選ぶかについても、まずは弁護士・司法書士に相談したほうが良い、ということです。
債務整理の相談窓口については、弁護士会の相談窓口や法テラスなどもありますが、債務整理に評判の良い弁護士・司法書士に直接相談することも可能です。ネットから今すぐ相談できる分、こちらのほうが早い場合もあるので、お急ぎの方は直接相談も検討してみましょう。
自己破産の免責不許可事由とは?クレジットカード現金化が“自己破産できない”と言われる理由
「クレジットカード現金化をすると、自己破産ができなくなる」という話それ自体にも、実は重大な説明不足があります。
まずは、なぜ“クレジットカード現金化後は自己破産できない”と言われるのか、その理由について解説していきます。
“クレジットカード現金化後は自己破産できない”という話は、まったくのウソというわけではありません。確かに自己破産には、「免責不許可事由」というルールがあり、これに当てはまるものは“自己破産をしても返済が免除されない”とされています。
免責不許可事由にあたるものの例として、「クレジットカード現金化」も確かに示されています。
2.破産手続の開始を遅らせる目的で,高利の業者から借入れをしたり,クレジットカードで買物をしてその品物をすぐに安い値段で業者に売り払ったり質入れしたりした場合
出典:鳥取地方裁判所
上記の解説は鳥取地方裁判所によるものです。ですが同時に、“クレジットカード現金化=免責不許可事由で、絶対に自己破産できない”というわけでもありません。なぜなら、“裁判所の裁量により免責が許可されることがある”からです。
先ほどの鳥取地裁の解説にも、カッコ書きで、『(もっとも,このような場合でも,裁判所の裁量により免責が許可されることがあります。)』と注記がされています。
また、名古屋地裁による解説でも、『クレジットで購入した商品をすぐに換金して負債を増やした場合』が、免責不許可事由の例として挙げられています。ですが同時に、
ただし,免責不許可事由に該当する行為があった場合でも,その程度が軽微であれば,事案によっては,裁量により免責が認められることもあります。
出典:名古屋地裁
と説明されています。
つまり、免責不許可事由となる“クレジットカード現金化の債務”でも、自己破産が認められるケースがあるということです。
裁判所の裁量により免責が許可されることがある(裁量免責)
実は自己破産には、“免責不許可事由”(返済が免除されないもの)の決まりがあるのと同時に、“裁量免責”という制度も用意されています。
これは、仮に免責不許可事由にあたる場合であっても、裁判所の裁量によって、免責を許可できる制度です。
ただし,免責不許可事由に当てはまる行為があったとしても,その行為の悪質さの程度
や,借金をした理由,現在の破産者の生活や収入の状況等の様々な事情も考えた上で,裁
判官が総合的に考慮して,破産者の立ち直りのために,例外的に免責を認める場合もあり
ます(これを「裁量免責」といいます 。
たとえば、
「お金にこまって、どうしようもなくクレジットカード現金化を利用してしまった」
「悪いことだと知らず、悪質な業者にだまされてクレジットカード現金化を行ってしまった」
といった場合など、自己破産の裁量免責によって、免責が認められる(返済がなくなる)かもしれません。なぜなら、悪質な目的によるものではなく、“困って仕方なく”だからです。
また、“破産者の生活や収入の状況など”にも配慮されるため、「自己破産しなければ、生活がどうしようもない」といった場合も、免責が認められる可能性がありそうです。
自己破産は、生活の再建をはかる手続き
なぜ「免責不許可事由」とされる“クレジットカード現金化”でも、免責が認められる(返さなくてよくなる)ことがあるのか、もう少しだけ考えを深めてみたいと思います。
個人的な考察ですが、大切になるのは、”自己破産の意義そのもの”ではないでしょうか。つまり、自己破産は、“お金を払えない、返せない人の生活を助けるため”の手続きということです。
そのことは、自己破産などについて定めた“破産法”の第一条に、しっかりと明記されています。
第一条 この法律は、支払不能又は債務超過にある債務者の財産等の清算に関する手続を定めること等により、債権者その他の利害関係人の利害及び債務者と債権者との間の権利関係を適切に調整し、もって債務者の財産等の適正かつ公平な清算を図るとともに、債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ることを目的とする。
出典:破産法-衆議院
「生活が苦しくなって、ほかに方法が思いつかなくて、クレジットカード現金化を使ってしまった」
「本当にお金がなくて、わらにもすがる気持ちで、クレジットカード現金化業者を頼ってしまった」
そうした“本当に困っている人”に対して、「クレジットカード現金化は免責不許可事由ですから、返済を免除しませんよ。あなたの生活がどうなっても知りませんよ」というのでは、破産法第一条に定められた、“債務者について経済生活の再生の機会の確保を図る”という目的を達成できないと考えられます。
何よりも、“生活を立て直すことが第一”。
これが、法律に定められた、自己破産や債務整理のほんとうの意義だと思います。
だからこそ、クレジットカード現金化が理由で、「免責不許可事由」にあたる借金滞納やクレカ未払いだとしても、現実には、“裁量免責”で、返済がなくなる場合があるのではないでしょうか。
クレジットカード現金化は、絶対に利用していはいけません
結びとなりますが、いくら「自己破産が認められる場合がある」「個人再生や任意整理、特定調停で解決できる可能性がある」とはいえ、クレジットカード現金化は、絶対に利用してはいけないものです。
「現金化」というと聞こえは良いですが、クレジットカードのショッピング枠などが、そのままお金になるわけではありません。現金として受け取った分以上の請求が、次の支払日に届くことになります。そのため結局のところ、「お金が足りない」という状況を、さらに悪化させてしまうに過ぎません。
こうした点からトラブルも絶えないこともあり、クレジットカード現金化は、消費者庁も強く注意を促しています。
クレジットカード現金化は違法ではない?
一部のクレジットカード現金化業者や、そうした業者から広告費をもらっているWEBサイト等では、「消費者庁が違法ではないと言っているから、優良業者ならクレジットカード現金化は大丈夫」といった説明もしています。
確かに消費者庁の解説を見ても、明確に違法だと言い切ってはいません。
「クレジットカードの利用規約に違反する」
「結果的に損をすることになる」
「トラブルが絶えない」
といったことが、主な理由として挙げられています。
ですが世の中は、「違法でなければ、なんでもやっていい」という訳ではありません。特にクレジットカード現金化については、法整備が追い付いていない(単にまだ法律がない)というだけで、決して良いものではありません。
クレジットカード現金化、“違法ではないが、やってはいけない”のはなぜ?
日本の法律には、「罪刑法定主義」という原則があります。
これは、「法律で定められたものしか、罪として刑を与えない」ということです。権力者が勝手に犯罪行為を決めて、だれでも罰してしまうような事を防ぐために、こうした法理が存在します。
逆に言えば、「法律が想定していなかった、新しい悪質行為」が生まれてしまったとき、法律はそれに対処できません。そのため、法律が整備されるまでの間、“悪質なので倫理上やってはいけないが、法律上は違法ではない”という期間が存在することになります。
クレジットカード現金化は、まさにその一例といえるでしょう。
絶対にやってはいけないことですが、しかし法整備に追い付いていないために、“違法とする法律がない”ので、消費者庁などの行政機関は“違法ではない”と答えるほかないのが現状です。
クレジットカード現金化業者は、「人の悩みに付け込んで。利ザヤを稼ぐ」
クレジットカード現金化は、結局のところ、「現金化した以上の請求が、次のカード支払日に一気にやってくる」という性質があります。
18万円を現金化して、ほっと一息ついたと思ったら、3週間後に20万円の請求がカード会社からきてしまう…といったような事です。その20万円を払うために借金をして、さらにそれも返せなくなり、闇金の被害にあってしまうかもしれません。
こうした仕組みは、クレジットカード現金化の「商品買取方式」でも、「キャッシュバック方式」でも、原則として同様です。
今すぐお金が欲しくて、クレジットカード現金化で18万円を手に入れた人が、どうして3週間後に20万円を払えるでしょうか。たいていの場合、払えるはずがありません。
このように、「行き着く先は借金地獄」となりがちなのが、クレジットカード現金化の怖ろしさです。
こうしたクレジットカード現金化の仕組みを見れば、決して良いものではないと、納得して頂けると思います。
「人の悩みに付け込んで利ザヤを稼ぐ」ような真似は、たとえ法律で違法行為と規定されていなくても、“やってはいけない行為だ”と言えるのではないでしょうか。
クレジットカード現金化には、いい評判や口コミ、比較ランキング優良業者もある…騙されてはいけません!
「クレジットカード現金化には、いい口コミもあるし、評判が良い業者なら安心なのでは」
…と思う方もいるかもしれません。
ですが、これも実は注意が必要なポイントです。
なぜなら、クレジットカード現金化業者からお金(広告費)をもらって、良い評判や、「助かりました」といった好評口コミを書いているWEB広告業者も多数いるからです。
「クレジットカード現金化 口コミ」などでgoogle検索すると、「クレジットカード現金化の口コミ比較ランキング」や「クレジットカード現金化の優良業者の比較ランキング」といったWEBサイトも見つかります。
ですが、こうしたサイトの多くは、業者からの広告費で運営されています。こうしたサイトからクレカ現金化業者に申し込みをすると、その売上の一部が報酬として、サイトの運営者に支払われる仕組みです。
クレジットカード現金化は、利用したあなた自身が損をする仕組みです。
その“あなたが損をしたお金”の一部が、広告業者の収入に変わっているわけです。
業者は“あなたが損をすると知っていても”、売り上げ=お金のために、「違法ではない」「優良業者なら安心」「口コミ高評価」といった評判を、ときに捏造して、クレジットカード現金化を申し込みさせようと、あの手この手で誘導していきます。
こうした口コミ評価や比較ランキングに騙されず、「クレジットカード現金化は、絶対に利用してはいけない」と意思を固く持つことが重要です。
クレジットカード現金化を頼る前に、公的支援や債務整理の検討を
多くの方は、「クレジットカード現金化は損をする」「クレジットカード現金化はやってはいけないこと」と、心の内で理解されていることと思います。
それでも、「どうしてもお金がなくて」「生活に困って」と、事情があって、クレジットカード現金化の誘惑にかられてしまうのではないでしょうか。
ですが、クレジットカード現金化という、危険な手段に手を染める前に、まだできることはいくつもあります。
たとえば、クレジットカード現金化を使いたい多くの方は、「つなぎ資金が欲しい」という方ではないでしょうか。そうした場合、危険なクレジットカード現金化よりも、厚生労働省の「臨時特例つなぎ資金貸付制度()」を頼れる場合もあります。また、「生活福祉資金貸付制度()」という仕組みもあります。
クレジットカード現金化を利用したい理由が、「借金やローンの返済のため」であれば、無理がなければ「おまとめローン」などの方法もあります。
もちろん、この記事の前半でご紹介した“債務整理”も、滞納や未払いの問題を解決するための、公的な制度となります。
「お金が足りない」
「生活が苦しい」
「借金やクレジットカード、ローンが返せない」
そうしたときに頼れる仕組みが、日本にはたくさん揃っています。
その中の一つとして、借金返済などでお困りの方は、債務整理に強い弁護士・司法書士に相談してみてください。
また、債務整理や借金問題に詳しい弁護士・司法書士は、先ほどご紹介したような公的支援についても知識が豊富な場合もあります。ですので、返済問題を相談するのと同時に、こうした公的支援制度についても、無料相談でアドバイスをもらってみると良いでしょう。